発達障害で仕事が続かない。5つの場面から次の働き方を考える
発達障害やADHDがあり、仕事が続かないと悩むときに、続かなくなる場面を5つに分けます。性格や根性だけの問題にせず、今の職場で変えられる条件と、次の職場を選ぶ基準を整理します。
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仕事が続かない経験が重なると、「職場が合わなかったのではなく、自分に問題があるのではないか」と考えてしまうことがあります。
発達障害やADHDの診断名だけでは、次に変える場所を決められません。この記事では、仕事が続かなくなる場面を5つに分けたあと、今の職場で調整する段階か、働く準備や求人探しへ進む段階かを整理します。
仕事が続かなくなる5つの場面
過去の職場を思い出し、実際に起きていた場面を確認します。当てはまる項目だけで構いません。
① 仕事そのものではなく、割り込みで消耗している
作業自体は問題なくできる。ただ、電話、話しかけ、チャットの通知で中断が入り、そのたびに元の場所へ戻るのに時間がかかる。夕方には、何も終わっていないのに疲れきっている。
確認したいのは切り替えの回数です。割り込みを受ける窓口や時間を調整できるか、元の作業へ戻る印を残せるかを見ます。
割り込みのあとに間違いが増える場合は、仕事のミスが多いときの記事で、引き継ぎ・転記・締切・最後の確認のどこに集まっているかを分けられます。
② 指示が曖昧なまま進み、あとで戻される
「いい感じにやっておいて」で始まり、提出したあとで「そうじゃない」と言われる。やり直しになる。これが続くと、着手する前の確認に時間がかかるようになり、さらに遅いと言われる。
確認するのは、要件が言語化されているかです。完成例、期限、確認する人が分かれば着手できるのか、それでも止まるのかを分けます。
③ 覚えることが最初の1か月に集中している
入社直後に、仕事の流れや社内ルールを口頭でまとめて説明される。記録が追いつかず、あとから聞き直しづらくなり、分からないまま進めてしまう場面です。
ここでは、研修期間、手順書、質問先といった受け入れの手順を確認します。次の職場でも、入社後にどう仕事を覚えるのかを求人票の記載だけで判断せず、面接や職場見学で研修の進め方を具体的に確認します。
覚える量より、口頭説明や記録の残し方で止まっているなら、発達障害で仕事が覚えられないときの手順の作り方で、情報を頭の外へ出す方法を試せます。
④ 体調の波と、勤務の固定が噛み合っていない
動ける週と動けない週の差が大きい場合、週5日・固定時間という形そのものが負荷になります。調子のいい時期に働きすぎて、その反動で動けなくなる、という往復が起きることもあります。
勤務日数、開始時刻、休憩の取り方、在宅勤務の可否など、勤務の形を確認します。現在の職場で調整できる項目と、制度上変えられない項目を分けます。
⑤ 「言えない」ことが積み上がっている
困っていることを伝えられないまま、自力で処理しようとして限界が来る。伝えたときに「みんなそうだよ」で終わった経験があると、さらに言いにくくなります。
困る場面と変更案を短く伝えられるか、相談を受ける人が決まっているかを確認します。伝え方を整えても話し合いが始まらない職場では、個人の工夫だけで変えるのは難しくなります。
今の職場で変えられる条件を仕分ける
障害者職業総合センターの調査研究報告書No.137は、ハローワークの職業紹介で就職した障害者の職場定着状況を、求人の種類や支援状況などとともに集計・分析した資料です。この資料は個人の退職理由を直接調べたものではなく、2017年発行であるため、ここでは求人の種類や支援状況も確認項目になるという範囲に限って参照します。
上の5つを、メモアプリで次の3つに仕分けます。
| 区分 | 例 |
|---|---|
| 自分の側で変えられる | 記録の取り方、確認の仕方、伝え方の型 |
| 職場に頼めば変わるかもしれない | 割り込みの窓口、指示の文書化、席の位置、勤務時間 |
| その職場では変わらない | 会社の文化、業界の商習慣、上司の性質 |
三つ目に主要な困りごとが集まる場合は、今の職場だけでの改善には限界があります。一つ目と二つ目が中心なら、調整する余地が残っています。
この仕分けを飛ばして転職すると、同じ条件の職場を選び直してしまうことがあります。求人票に「アットホームな職場」と書いてあっても、割り込みの量も指示の出し方も書いてありません。何を避けたいのかを言葉にしておかないと、次を選ぶ基準が作れません。
今の職場で調整する
条件の一部は、大きな交渉をしなくても動かせます。
- 割り込みを1か所にまとめる。「急ぎ以外はチャットにしてください」と相談し、切り替えの回数を減らせるか試します。
- 口頭で受けた指示を、その場で短く残す。「この形で、この期限で進めます」と一行送り、認識が合っているか確認します。
- 入社直後に説明されたことを、自分用の手順書にする。聞き直す前に確認できる場所を作ります。
- 困りごとを、症状ではなく業務の言葉に置き換えて伝える。「集中できない」ではなく「電話番と並行だとミスが増えるので、午前は電話を外していただけると助かります」のように、相手が動ける形にします。
配慮を申し出る順番や、どこまで開示するかは合理的配慮の記事で詳しく扱っています。職場が話し合いに応じない、伝えたことが不利益につながる不安がある場合は、開示を急がず、勤務先と関係のない相談先も検討します。
「職場で調整・働く準備・求人」のどこにいるか
仕分けた結果を、次の目安に当てはめます。
| 現在地 | 判断の目安 | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 今の職場で調整する | 仕事内容は続けられそうで、割り込みや指示方法など変更案がある | 誰へ、何を、いつまで試すか |
| 働く準備から始める | 困る条件をまだ説明できない、応募前に働き方や技能を整理したい | 公的な職業相談、就労移行支援 |
| 求人へ進む | 避けたい条件と面接で聞く項目が決まり、応募へ動ける | 求人票、面接、転職支援の使い分け |
地域障害者職業センターでは、職業相談や職業能力等の評価、必要な支援計画の作成などを行っています。利用費用はかかりませんが、交通費や昼食代等は自己負担です。
就労移行支援は、就労に必要な知識や能力の訓練、求職活動、就職後の定着に関する相談などを行う制度です。事業所によっては、ITスキル、自己理解、働く準備を並行して進めます。求人へ進むか、準備から始めるか迷う場合は、就労移行支援と転職エージェントの違いの判定ナビで現在地を確認できます。
退職する意思が決まり、上司への切り出し方で止まっている場合は、退職の伝え方の記事に第一声と伝える順番をまとめています。
最後に、共通した条件を一つ書く
続かなかった職場が複数ある場合は、共通していた場面を一つ書き出します。それを「自分で変える」「職場へ相談する」「その職場では変わらない」のどこに置くか決めると、次の行動を選びやすくなります。
診断や治療、解雇の法的判断、向いている仕事の一覧は、このページの範囲外です。体調について判断が必要な場合は、医療機関へご相談ください。
このページの情報源
- 障害者職業総合センター(NIVR)調査研究報告書 No.137「障害者の就業状況等に関する調査研究 - 障害者の職場定着の現状とは -」(2017年4月発行)一次資料
確認日:2026年8月29日
ハローワークの職業紹介で就職した障害者の職場定着状況を、求人種類や支援状況等とともに集計・分析した資料。個人の退職理由や、仕事が続かない原因を直接示す資料ではない。 - 厚生労働省「障害福祉サービスの内容」一次資料
確認日:2026年8月27日 - 高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)「障害者雇用関係のご質問と回答」一次資料
確認日:2026年8月29日
地域障害者職業センターは予約制で、利用費用はかからない。交通費や昼食代等は自己負担。 - 高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)「就職支援・相談窓口」一次資料
確認日:2026年8月29日
地域障害者職業センターの職業相談、職業能力等の評価、職業リハビリテーション計画の説明を確認。
数字の扱い方については情報源とこのサイトの作り方に書いています。
